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三ツ星からB級まで美味しいもの情報満載♪


by harapeko-angel
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☆フェリーのうどん☆

フェリー乗り場の道路を挟んだ向かい側にある立ち食いうどん。通称「フェリーのうどん」と呼ばれ長く地元の人たちに愛されている。水のコップは花柄のワンカップ酒が入っていたもの。夫婦ふたりでやってたこのお店、おじちゃんが亡くなってからはおばちゃんが一人で切り盛りしてる。ただでさえ安いうどんをときどき50円まけてくれたりする。そのことが子供心ながらとても心配だった。

harapekoが初めてひとりでお泊まりしたのはまだ1歳にもなっていない頃。神野のばあちゃん家だった。20代半ばで3人の子供を授かったうちの母。自分の母親は結婚前に亡くなっていて、よく神野のばあちゃんが助けてくれた。harapekoが幼稚園の頃は土曜日のお迎えは決まって神野のばあちゃんでそのままお泊まりに出掛けた。ばあちゃんの家は薪風呂で養命酒と美容クリームの匂いがした。いつも幼稚園の門の所にお迎えに来てくれて、園から3〜4キロの道を歩いてばあちゃん家に向かう。手をつないで歩きながら「晩ご飯は何にするか?」と聞かれいつも「フェリーのうどん」と答えていた。

海藻とムシロの匂いのする石風呂にもよくばあちゃんのお供をした。熱い石風呂に入ってる幼稚園児はいつもびっくりされて裸のおばちゃんたちに可愛がられた。帰りにはいつもみかんやヤクルトやラムネを握らされていた。長い休みになるとばあちゃんと電車に乗って柳井の大きいばあちゃんのところへも行った。どこに行くのもいつも一緒だった。

実はガスと缶切りが苦手。父方の祖父が容態が悪い頃、両親が出掛けるときに必ず留守番に来てくれていたのも神野のばあちゃんだった。ばあちゃんは当時小学校3年生だった私にガス風呂のスイッチの入れ方がわからないと言った。張り切ってばあちゃんに風呂場でスイッチの入れ方をレクチャーしているうちに.....
バーン!!!!!爆発音と共に一瞬火が噴いた。.....ガス風呂を爆発させてしまったのだ。
手と足は大やけど。髪もチリチリと焼けていた。爆発音に驚いて集まった近所の人たちに濡れタオルやらジャガイモの擂ったものを足にのせられたり、油を刷り込まれたりした揚げ句、病院に運ばれた。
祖父のお葬式には包帯ぐるぐる巻きで正座が出来ず、縁側に腰掛けて神野のばあちゃんと並んでお経を聞いた。

別れは突然やって来た。
先週神野のばあちゃんが亡くなった。

あなたの大切なヒトは誰ですか...。今夜声を聞いてみませんか?
by harapeko-angel | 2005-10-31 15:51 | 独り言